2010年10月21日木曜日

地元の高校生と地域振興の話し合い in 下呂市

岐阜県下呂市の高校の観光科の先生から突然メールをいただいたのは、今年の夏休みのこと。
春に実施した、訪日エコツアーの様子を新聞で読んで、ぜひ子供たちにその話をして欲しいとのことだった。海外から来る人達に自分たちの地元をもっと楽しんでもらいたい、そのために自分たちでもプランを考えてみたので、実際に海外から来る人達が何を求め、何を感じているか、現場の声を聞きたいとのことだった。

高校生が地元の振興に真剣に取り組もうとしている、、、。こんなに素晴らしいことはない。
さっそく下呂市の観光課にも声をかけて、ぜひこの機会を地元の事業者にも聞いてもらいたいと提案。それが、今回実現した。

昼休みが終わった午後の2時間をこの時間にあててもらう。
地元の高校の観光科の2年生と3年生の代表が、自分たちが考えた下呂を楽しんでもらうツアーの中身について紹介。下呂市の抱えている現状の分析などはなかなかのもの、、、。低下してきている訪問客の数、滞在期間も短く、一人当たりの落とす金額も安価になっている。 下呂市は近隣の高山や白川郷に行く人達の通過地点としての位置づけ、、、、。このままでは、一世を風靡した下呂温泉をはじめ、地域の観光業はどんどん落ち込んでいく、、、。そんな不安の中から新しい観光で外から客を誘致できないか?というのがテーマだ。
その中で彼らが注目したのが、"エコツアー"。 地元の温泉だけではなく自然資源をも活用し、それらを大事に守りながら、地域らしさを体験してもらうツアーを実施してみたいとのことだ。
私が今年の4月にオーストラリアのグループのためにプロデュースした小坂の滝をめぐる旅に興味を持ってくれた。


実際に行われたツアーを作った背景、何を考え、何を求めてこのツアーを作ったか、また地元で案内をしてくれた飛騨小坂の滝200の会の人達が苦労したこと、実際のツアーの客からの反応などについても紹介しながら、海外からの客が求めている日本らしさの体験、そのために地域に望まれることなど、話はかなり幅広く、具体的に進められた。
その後、来年のプログラムについての地元の事業者との話し合いにも高校生の代表4名に参加してもらい、実際に見てもらった。 コースの設定や、安全管理、自然環境でのインタープリテーションの方法、当日のお弁当の中身まで、、、。そして、高校生からの意見も聞いてみた。なかなかユニークなアイディアもたくさん飛び出し、実際にその中のいくつかは来年実施してみようという話に発展した。 地元の事業者や行政にとってもいい刺激になった時間だったようだ。


地域の様々なステーキホルダー(受益者)がそれぞれの立場で話し合いをすることで見えてきた、新しい地域の宝。手ごたえのある貴重な時間をシェアすることができた。

より魅力的な地域づくりは、地域に住む人が自分たちの場所に誇りを持ち大事に思うことがまず第一、 そして地域の宝をみんなで探し出し、それをどうやったら外から訪れる人に伝えることができるかを一緒に考える、外からのアドバイスや支援で気がつくこともある。みんなが力を合わせることで新しい扉が開く。今回のこの取り組みは、地域にとっても、そして新しい地域の担い手にとっても、きっと新しい扉を開くきっかけになる。そんな確信を抱いた。

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