日豪環境ボランティアプログラム報告 その5
10月27日(水曜日)
日 本国内とオーストラリアから参加した環境ボランティアのメンバーにとって、今日はボランティア作業も終わって、地元の方との交流などを楽しむレジャー デー。
紅葉も進んで下から見ているだけで、きっと素晴らしい紅葉が見られるだろうと期待していた白山林道は昨晩の雪のために通行止めに、、、。残 念ながら、紅葉の真ん中に行くことは出来ませんでしたが、その代わりに遠くから冠雪した山並みを楽しみました。
山の上ではまだ雪が降っていたようで朝は 雲っていて、気温も3度。その後、次第に晴れ間も見えて見事な景色が見られました。山は着々と冬へと突入し、里でも秋が深まっていくそんな感じで、昨晩か ら今朝にかけてまさに季節が変わったと実感しました。
昼食は、地元の方に自分の家の畑で取れた食材を調理して、地元 の秋ならではの料理を準備していただきました。「人に角を見せない、、、」というお母さんの教えで必ずおにぎりは丸くにぎるという さとうさんの説明を 聞きながら、地域の暮らしから生まれた食文化を堪能しました。
地域ならではの暮らしの中には、今では既に継承者もい なくなって失いかけているものもあります。その中のひとつが、かつてはどこの家でも冬場や夜の作業としておこなっていたヒデ細工があります。
ヒデとは、地 元でカエデやサクラなどの冬の雪に埋もれても折れずにしなる木を上手に短冊状のヒモ状にしたもので、これを上手に編んでカゴや道具入れなどを作っていまし た。そして一年使うとまた新しい年に新しいものを作るという作業を続けてきたそうです。
地元で唯一人のヒデ細工の達人に一番簡単なヒデ細工のカゴの作り方を教えていただきました。(とはいえ、私たちには大変な作業でしたが、、、。)
何と参加した人達の中で一番器用にこのカゴを作ったのは、オーストラリアから参加したステーシー。得意げにポーズ!
冬の厳しい環境の中で人々は知恵を使って、助け合いながら巧みに生活を続けていた白川郷。
世界遺産に指定されているのは、合掌造りの家だけでなくそこで今も昔と同じように生活を続けている村の人達の存在も含めて、世界遺産の価値として評価されています。
人が住むことによって守られる合掌の家、また人が使うことで保全される里山。また使い続けることで継承されていく工芸品など。人が介在することで守られている地域らしさのあり方を再確認した環境ボランティアプログラムでした。
地元の方の多くのご協力によって、4回目の日豪環境ボランティアプログラムも無事終了しました。来年もまたどこかの地域で環境ボランティアプログラムを通し て、地域の方と一緒に”地域らしさ”とは、また本当の”日本らしさ”とは何かを日豪両国からのボランティア参加者と共に体験することを楽しみにしています。今回のプログラムにご参加いただいた方、プログラムの実施にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
(日豪環境ボランティアプログラム報告 終)